浜町界隈のそば屋で一服
うさぎやという個性的な名前のおそば屋は、明治座から久松町の信号をさらに馬喰横山方面へ渡り、一本目を左に曲がるとその暖簾が見えてくる。
大きく垂れ下がった「うさぎや」という文字に、ちょこんとした暖簾が愛らしい。
見た目は、やや一言さんお断りかのような怖い佇まいだが、入ってみればそんなことない。お店の方がやさしくいらっしゃいませと迎え入れてくれる街のおそば屋さんだ。
さて店内は、「うさぎや」というだけあり、暖簾にもウサギ、窓ガラスにもウサギが描かれており全体の統一感が素晴らしい。清潔感があり全体的に静かな雰囲気。
こじんまりとしているが、逆にそれが大人の隠れ家のような良い雰囲気を醸し出している。
この日は休日ということもありお昼時でも周りはどこもお店が閉まっている。
用合って浜町まで足を延ばしたのでせっかくなのでお邪魔することにした。
着席すると、温かいお茶と揚げそばをすぐに出していただく。
久しぶりの揚げそばにやや感動を覚えながらメニューを一読していこう。
本日のメニューは
鴨せいろ、天せいろといったメニューにもひかれるが、やや胃の調子が重い。
ここは季節のメニューから「根菜と鶏団子のそば」¥1,450円を選択。
うむ、変わり種っぽくなってしまったが、いやしかしおいしそうだ。
鴨せいろなどの鶏肉を多く使っており、メニューもおつまみ系も充実している。
こりゃ夜来るのもよさそうだったな、と少しだけ後悔。
実食
写真でもお分かりいただけるかと思うが、とにかく具沢山。
ニンジン、鶏団子、お芋とより取り見取りで、それに三つ葉が味を締める構成。
お出汁は甘めの出汁でやさしいお味、寒い日にはすごくしみわたる。
おそばをいただくと、二八そばだが香り豊か。
のど越しとそばの香りの配分が大変よろしく非常においしかった。
うむ、ガラでもなく「よろしい」なんて言ってしまうのが、この店の特徴かもしれない。それだけ、おいしかったのだ。
この後、蕎麦湯をいただく。
そばつゆを少しだけお店のほうからサービスいただき、お出しいただいた蕎麦湯と飲むと甘いんだ、これが。
東京って辛いそばつゆが多いんだが、ここのは甘い。
すごくみりんっぽい甘さを感じたのだが、でもそれがすごくおいしい。
評価75点<100点満点平均30点>
ややリッチなおそば屋さんだが、それだけに味が丁寧。
お店構えもそうだが、料理も店舗も器一つとってもすごく丁寧にお仕事をされている。
こういうお店は雰囲気がよくて好きだな、私は。
味がいい店ってのはたくさんあるし、私の場合はたいてい何を食べても美味しく感じられるんだけど、仕事をきちんとするってこういう店舗の綺麗さだったり雰囲気作りにも出るような気がしてる。
そして、このお店はまさにその点が素晴らしかった。
味も含めて雰囲気ごと頂ける、まさ美味って感じのお店でした。
きっと夜も素晴らしいので、浜町付近でおそばが食べたい方はぜひ。