全身コンプレックス

全身体当たり系雑記ブログ

映画評 『十二人の怒れる男』 1957年公開

ストーリー

 

f:id:kobito711:20181117005417j:plain

 

17歳の少年が起こした殺人事件に関する陪審員の討論が始まったが、法廷に提出された証拠や証言は被告人である少年に圧倒的に不利なものであり、陪審員の大半は少年の有罪を確信していた。ところが、誰が見ても有罪と思えたその状況下で、ひとりの陪審員が無罪を主張する。彼の熱意と理路整然とした推理によって、当初は少年の有罪を信じきっていた陪審員たちの心にも徐々にある変化が訪れる。

 

評価100点満点

 

いわゆる法廷もの。

それでも、この作品がサスペンス作品で密室劇の金字塔とまで言われるのはみればわかる。

 

半端ない、とにかく半端ない。

 

面白い、まずはみてほしい。

圧倒的な脚本のうまさ、そして描かれる表現の巧みさ、演技力

そのすべてがハイレベル

 

今の映画だと言い訳を作りたくなる。

例えば、少年が実際にどういう動きをしたかとか、各証人の証言部分とかを映像で見せたくなる。

でもそういうのが一切ない。

 

12人が淡々と密室で話すだけ。

ああでもない、こうでもないっていう話し合いを見せられる。

しかもすごいのが、

 

登場人物に名前がないんだ。

 

これもすごい。

余計な情報は入れずに真っ向から脚本で勝負、しかも面白い。

 

もちろん、

陪審制度の問題点だったりもテーマになっていて今見ても当然勉強になる。

個人的にはやっぱりスラムとか父親に重ねちゃう登場人物の心情みたいなところが印象深いな。

 

差別とか偏見の根源ってなんでもなかったりして、

なぜか嫌い

っていう状態が得てしてある。頭の中にワンピースの魚人の島の話が出てきたよね。

彼も差別の意識が何もないところから生まれたーみたいな感じだった気がする。

 

勝手にずらしておいてあれだが、話を映画に戻す。

昔の映画だと感じたのが、たばこをプカプカ吹かすんだ。

しかもやっぱかっこいいんだよな、無駄に。

あとすごく気になったのが、暑い暑いって言ってたこと。

あの暑いっていうのはなんか意味があったのかな、最後までよくわからなかった。

詳しい方は教えてください。

 

 

※以下、多分にネタバレを含みます

 

テーマとしては陪審員制度なんだけど、その裏として

真実は塗り替えられるっていうのもありそうな気がした。というかこっちがメインテーマかもしれない。

 

結局、人の記憶ってあいまいで、そのあいまいなもので人の生き死にが判断される。

この映像の中で真実が語られることがないんだけど、もしかしたら12人が出した結論は間違っているかもしれない。

それは理路整然とか理知というものが正しいかはわからなくて、結局真実がわからないときに理知に頼っても真実じゃないかもしれないってこと。

 

陪審員たちも

 

「わからないんだ」

 

っていうのを繰り返してる。

じゃあ人間はわからないときにどうするのか、っていうと人は理知ってやつを引っ張り出したり、感情ってものを引っ張り出したりしてる。

そういう目線で見るとまた面白い。

 

本当に何度も見たくなる作品だ。

この映画に関しては本当に見てほしい。